アメリカ現地採用のメリット・デメリット

40歳からアメリカが本社の会社に現地採用で働きはじめて早3年。現時点で私が感じているメリットとデメリットをまとめたいと思う。とりえあず書きなぐってみたものを投稿しているので後でちょいちょい更新していく予定。

最初に断っておくと題名から駐在との比較と思う方もいるかもしれないがそれはこの文章の主題ではない。なるべくアメリカの現地採用の話それ自身に焦点を当てたい。書いてある反対のことが駐在のメリット・デメリットだと言うつもりは微塵もないことをご了承願いたい。 むしろ多くのメリット・デメリットは駐在の方のそれと共通すると思っている。

そもそも私には駐在に関する知識があまり無いので比較した考察はできないのだ。私が働いているのはアメリカの会社で駐在という選択肢はがない。よって駐在経験がなく、また残念ながら駐在されている方との交流もほとんどない。日本人がほとんど居ない地域に住んでおり、土曜日も仕事なので日本語学校にも行けないため接点が少ないためだ。

部分的に駐在との比較が出てくる箇所は伝聞によるものなので間違いがあったら @from_40 宛で指摘してほしい。

まずデメリットから行こう。Bad News First で。

  • 給料が安い
  • 引っ越し代が出ない
  • いつクビになるか分からない

次にメリット。

  • 仕事環境が良い
  • 決まった在籍期間がない

アメリカで働くこと自体のメリット・デメリットはまた別の機会に記事にできればと考えている。

デメリット1. 給料が安い

給料が安いのは死活問題だ。 現地採用なので当たり前だが給料はアメリカの会社からアメリカにある銀行口座にドルで支給される。

私の場合は同じ会社の日本の支社からアメリカの支社への転籍だったのだが、日本での給料をそのままドル円換算された。しかも2015年秋当時1ドル120円程度の円安相場だったのだ。翌年の2016年には1ドル100円位まで円高となった。つまり時期がちょっとずれていれば2割ほどアメリカでの給料が違ったのだ。これは正直きつかった。

単にドル円相場が悪かったからきついだけではないのだ。私は日本の平均から見ればそれ程安い給料で働いていたわけではない。しかしそのままドル円換算してアメリカで暮らしていける給料をもらっていたかと言えば答えはノーだ。絶対的な金額が足りないのである。

アメリカでは家賃を始め生活費が高い。部分的にはガソリンなど安いものもある。じゃがいもや人参などの食材もそれ程高いわけではない。でも長年日本の食文化で育って来た身としてはどうしても日常的に日本的な食事をしたいのだ。しかし日本的な食材をアメリカで調達するにはそれなりにお金かかる。

それでも食生活をあまり変えないことは家族が異国の地で暮らすための心の安定剤ともなり必要経費だと思っている。 話が逸れたがなにが言いたいかと言うとアメリカでの生活はお金が必要なのだ。

追記: 給料に関しては国によらず会社内全体でジョブレベルと給料レンジが明確に決められているため為替による差は発生しないというコメントを頂きました。今は給料をそこそこ貰っているのであまり不満は無いのですが、最初の給料に関してはもう少し交渉の余地があったのかなと後で振り返ると思います。

デメリット2. 引っ越し代が出ない

引っ越し代は一例だがアメリカに移住する際の初期費用はそれなりにかかるものだ。

引っ越し代は当然自腹である。引越し業者の選定や手続きも全て自分で行う必要がある。引っ越し代を安くするために日本の住まいにあった家具などを始めかなりのものを捨ててきた。当然アメリカで買い直さなければならないものも多かった。

かなり恵まれた人の話ではあると思うが、私の知るイギリスに駐在した方の場合は引っ越し代は全て会社持ちだった。日本の家にあったものを全て梱包しいらないものは引っ越し先で分別して捨てたと言っていた。かなりの違いである。

アメリカには最初に私が単身で来てホテル住まいをしながら仕事をし住む家を探した。その間のホテル代やレンタカー代も自腹。住む場所が決まって大家に最初の何ヶ月かの家賃を振り込むのだがそれも当然自腹だ。前任者がいるわけではなかったので住む場所の選定も土地勘がないため大変だった記憶がある。

最初に 銀行口座を作り住むところを決めて電気水道ネットを契約しSSNを申し込んでとなにをどのような順番で行えばスムーズに生活が始められるのかも自分でほぼ一から調べた。

当たり前だがアメリカに来る飛行機代も自腹。これも結構な額になる。航空券の片道切符って結構するのだ。

アメリカは車社会なので車の購入は緊急課題だ。でなければ一週間で$1,000程度の金額に延々とレンタカー会社に払うことになる。通勤に車を使うのならそれ以外に家族が使うための車を最低もう一台は必要だ。このためアメリカに来て割と直ぐに車を二台分購入する必要があった。中古で安いものをとりあえずと思ったがアメリカの中古車の値段はなかなか落ちない。中古車もある程度年式が新しくても走行距離がかなりいっているものも多く状態も様々だ。結果として中古車を1台、新車を1台購入した。

アメリカ一年目はクレジットヒストリーも無いのでローンは組めないと思ったほうが良い。あってもかなり条件が悪い。できれば一括で支払う必要がある。

追記: 頂いたコメントを拝見させていただくと、引っ越し代や一時的なホテル宿泊費及びレンタカー台なども補助してくれる会社もあるようだ。同じ会社でもポジションによって待遇が違う場合もあるようで実際には様々な対応があるようだ。

追記: 私の働く会社では転籍に関して引っ越し代などの補助などはしないとむしろ明文化しているくらいである。実は少しだけ補助は出たのだが実際の金額にはとても及ばなかった。上げてもらえるよう交渉したが 取り付く島もなかった。

デメリット3. いつクビになるか分からない

駐在の方は任期が決まっていたり、あるいは日本の本社側の意向により長くなったり短くなったりするかもしれない。しかしアメリカになるべく長く暮らすことを是とする立場からも私の現在の状況はそれほど安定しているわけではない。

私は現在L1ビザを持っている。これは私が現在働いている会社に紐付いたビザだ。つまり転職などの自由はなくL1ビザの期限が切れたりするとアメリカには居られなくなる。

そしてアメリカの会社は一般的に簡単に従業員のクビを切るものだ。

実際、私がアメリカで働く3年の間にも会社で大きなリストラがあり私の上司とその上司含めてクビになったことがある。幸い私はクビを免れたが、会社をクビになるということは同時にL1ビザを失うことでもある。

3ヶ月以内に同じくL1ビザなどをサポートしてくれる会社を見つけて働き出せば大丈夫だが状況としてはかなり厳しい。そうなった場合は日本への撤退も同じような期間で行わなくてはいけない。

もちろん日本のブランチと協力して仕事をする関係にあり大変助けてもらっている。しかし、いざそうなった場合、やはりアメリカの会社なので日本のブランチがなにかしてくれるかどうかは不透明だ。

メリット1. 仕事環境が良い

デメリット1.と相反するがまずは給料が高い。最初の給料こそ安かったがその後はそれなりに上げてもらった。

当たり前だがアメリカの会社なのでアメリカの給料水準の金額を稼げる。そしてアメリカの給料水準は日本よりだいぶ高いのだ。アメリカは日本と比べて生活コストが高いし物価上昇率も高い。しかしうまく行けばそれなりに給料も上がっていく。

若い人でも仕事に応じて年功序列に縛られない給料体系で評価してもらえるかもしれない。もしかしたら男性と女性の差も日本より少ないかもしれない。

キッチンやプレイルームに集まればワイワイ話もするが、基本的に一線を引いて他人に過干渉せず黙々と仕事する雰囲気も個人的には好きだ。

やることをやっていれば多少早く帰っても文句は言われない。ワーク・ライフ・バランスもアメリカの会社ではより重要視される。アメリカ人の上司も理解があり休みも含めて非常にフレキシブルに対応してくれる。

良いところを積極的に探し褒める文化も好きだ。個人的には全体的にアメリカでの仕事はすごくやりやすいと感じる。

メリット2. 決まった在籍期間がない

現地採用なのでアメリカの会社が雇用主だ。普通のサラリーマンであり契約の終わりは明示的に決められていない。少なくとも私の場合は日本赴任という可能性も限りなくゼロに近い。(アメリカの給料で日本に住めたら最高なのだけど。)

クビになる可能性はあるもののグリーンカードさえ手に入れば即アメリカに居られなくなるという縛りもなくなる。親がグリーンカードを取得できれば子供にも自動的に与えられる。 話を聞くところによるとグリーンカードを持っていれば大学でもらえる奨学金の種類や額も増えるらしい。大学卒業後にもし子供がアメリカで就職したいと考えた場合も、ビザのサポートが必要無いのは非常に有利になるだろう。

長期的にアメリカで住むことを前提とすると、子供のアメリカでの教育に関しても安心して長期的な視野に立てるのは非常に大きい。

なにかしらのビザをサポートしてくれる会社に勤めており在籍期間が決まっていないあるいは長い場合は会社がグリーンカード取得のサポートもしてくれるはずだ。会社側から見れば新しい人を雇い直すより当然効率が良いので自然な流れだと思う。私も少しゴタゴタして遅れたがグリーンカードを現在申請中の身となっている。

おまけのデメリット: 決まった在籍期間がない

決まった在籍期間がないのはデメリットの側面もある。期間が決まっていればアメリカ国内で今年はここで来年はあそことより積極的に旅行などの計画を立てるかもしれない。しかしいつでも行けるとなるとやや腰が重くなるものだ。

子供の英語力もより集中的に伸ばそうとかより思うかもしれない。どこかで「子供はそのうちなんとかなる」と思ってはいないか。

また妻や子供たちのメンタル面も少し心配である。妻は実はアメリカ行きはあまり乗り気でなかった。例えば3年なら3年と期間が決まっていれば耐えられるものも、いつ終わるかわからないとなると苦しみが増し耐えられないこともあるかもしれない。長男はかなりアメリカに馴染んで来たが年下の長女はやや心配なところがある。

以上、アメリカ現地採用のメリット・デメリットでした。